「同じ資格を持つ人がたくさんいる」
「私のサービスは、ほかの人と何が違うんだろう?」
「もっと勉強して、特別なスキルを身につけた方がいいのかな……」
コーチ、カウンセラー、セラピスト、教室の先生など、自分の経験や専門性を活かして活動している方なら、一度は考えたことがあるかもしれません。
そんなとき、一般的には「自分の強みを明確にしましょう」「ターゲットを絞りましょう」「発信を頑張りましょう」と言われます。
もちろん、それも大切なことです。
でも、僕はもう一つ、違う方向から考えてみたいんです。
そもそも、今の商品を、今の形のまま差別化しようとしなくてもいいのでは?
あなたがすでに持っている経験や専門性、好きなこと、ちょっと変わった個性。
それらを思いがけない形で掛け合わせたら、同業者と比較されるだけではない、別の商品の可能性が生まれるかもしれません。
今回は、そんな視点から「選ばれる理由」を考えてみましょう。
1. 差別化とは、ほかの人より優れたものを持つこと?
例えば、あなたがコーチングの仕事をしているとします。
同じ資格を持っている人もたくさんいる。SNSを見ると、自分より経験豊富な人や、人気のある人が目に入る。
そんなとき、どうすれば選ばれるのか。
もっと資格を取る?
もっと安くする?
もっと長い時間、セッションを提供する?
でも、それを続けていると、いつまでたっても競争が終わらないような気がしませんか。
実は、僕も2010年に独立してデザイン会社を始めた頃、似たような経験をしました。
同業者と差別化したくて、当時はまだ珍しかったAR(拡張現実)のサービスを、高い費用をかけて導入したことがあったんです。
「これなら、ほかのデザイン会社にはない魅力になる!」
そう思っていたのですが、お客様の反応は期待していたほどではありませんでした。
後になって気づいたのは、お客様が僕に求めていたのは、珍しい技術ではなかったということ。
自分たちの商品や事業の魅力を引き出し、それをどうすれば人に届けられるか、一緒に考えてくれること。
そこに価値を感じてくれていたんです。
新しい技術を導入したり資格を追加することと、お客様が求めている価値を生み出すことは、必ずしも同じではない。
この経験は、今でも僕の商品づくりの考え方につながっています。
2. 「コーチングを売る」ことから、一度離れてみる
さて、先ほどのコーチングの話に戻りましょう。
仮に、こんな方がいたとします。
コーチングの資格を持ち、個人セッションを提供している。でも、なかなか申し込みが入らない。
ここで、一般的な改善策として考えられるのは、ターゲットの明確化や、プロフィール、集客方法の見直しなどでしょう。
もちろん、それも必要なタイミングがあるかもしれません。
でも、僕なら、その方にもう少し違うことも聞いてみたいんです。
「コーチング以外に、昔から好きなことはありますか?」
「どんな経験をしてきましたか?」
「どんな人の話を聞いていると、思わず力になりたくなりますか?」
例えば、その人は文章を書くことが好きで、長年日記を続けてきたとします。
さらに、仕事と家庭の両立に悩んだ経験があり、同じような立場の人の気持ちがよく分かる。
だったら、その経験とコーチングを組み合わせたら……?!
単に「60分のコーチングを提供します」ではなく、
「仕事と家庭の間で、自分のこれからを見失いかけている人のための、書くことと対話を組み合わせた2週間のプログラム」
という商品も考えられそうです。
最初に短いワークで自分の気持ちを書き出し、個別セッションでその言葉を手がかりに対話し、最後にこれから大切にしたいことを一枚にまとめる。
このように、同じコーチングの専門性からでも、他のコーチとは違う切り口の商品・サービスが生まれます。
もちろん、書くワークが好きではない人に無理に提供する必要はありませんし、実際にニーズや市場があるかは確かめる必要があります。
でも、ここで伝えたいのは、商品案の良し悪しだけではありません。
「コーチングの中でどう差別化するか」という問いを、「自分の経験や好きなことから、どんな体験を生み出せるか」という問いに変えてみる。
すると、考えられる可能性が変わってくるんです。
3. あなたが売っているのは、本当に今の商品ですか?
せっかくなのでもう一つ、違う例を考えてみます。
例えば、絵を描くのが得意な人がいるとします。
その方が絵画教室を開いていて、生徒が集まらず悩んでいる。
そこで「どうすれば絵画教室の生徒を増やせるか」と考えるのが、一般的な発想です。
でも、その人がもし、動物が大好きだったら?
絵を描く技術と、動物への愛情を組み合わせてみる。
すると「絵を教える」というサービスとは別に、
大切なペットとの思い出を、絵という形で残すオーダーメイド作品
という方向も見えてくるかもしれません。
これは、「絵を学びたい人」に提供するサービスではなく、「大切な存在との思い出を形に残したい人」に届ける商品です。
つまり、同じ絵を描く技術でも、お客様が購入する理由そのものが変わったわけです。
もちろん、ペットの肖像画やメモリアル作品にはすでに競合があります。組み合わせが面白いからといって、必ず選ばれるわけではありません。
それでも、「絵画教室の生徒が集まらない」という問題から、別の収入の可能性が生まれたことには意味があります。
新しい資格を取ったわけでも、絵の技術が突然上がったわけでもなく、もともと持っていたものの、使い道が変わったんです。
僕はこれまで、こういう発想の転換に、クライアントの可能性を見出して来ました。
4. 差別化のヒントは、今の商品から少し離れたところにある
では、自分の商品でも同じようなことを考えるには、どうすればいいのでしょうか。
僕なら、今の商品をいったん完成したものとして扱わず、いくつかの材料に分けてみます。
例えば、セラピストの方なら、
- 身につけてきた技術や知識
- これまでの仕事や人生経験
- 人から褒められること
- 好きで続けてきた趣味やオタクな部分
- 自分ならではの性格やキャラクター
- お客様に喜ばれたこと
こうしたものを、仕事に関係があるかどうかにかかわらず並べてみる。
そして、
一見関係のなさそうな二つを、あえて混ぜ合わせてみる。
「そんなものを組み合わせて、何になるの?」
最初はそう思うかもしれませんが、そこで正解を急がなくて大丈夫です。
例えば「人前で話すのが苦手」という特徴だって、考え方を変えれば、にぎやかな場が苦手な人に寄り添える個性になるかもしれません。
「ひとりで黙々と何かを作るのが好き」なら、対面の講座ではなく、届けるものをじっくり制作する商品に向いているかもしれません。
自分では弱点だと思っていたことも、提供する相手や形によっては価値になるのです。
大切なのは、自分にないものを探すことだけでなく、今あるものを柔軟にクリエティブに違う角度から見てみることです。
Design MEでは、こうした価値の掛け合わせを「Design ME リミックス」と呼んでいます。
5. 面白いアイデアだけでは売れない
ここは、とても大切なところです。
アイデアを考えていると、次々と可能性が広がります。
でも、本人が「面白い!」と感じた商品が、お客様にも必要とされるとは限りません。
例えば、先ほどの「書くことと対話を組み合わせたプログラム」。
本当にそのプログラムを必要としている人はいるのか。どんな悩みがある人なら、お金を払って利用したいと思うのか。今は、その人たちはどうやって悩みを解決しているのか。
そして、自分自身がその内容を責任を持って提供できるのか。
そうしたことを確かめる必要があります。
だから僕は、
発想を自由に広げる時間と、実際に売れる可能性を確かめる時間を分けて考えています。
最初から「売れそうかどうか」だけで考えると、どうしても無難なアイデアになってしまう。
でも、面白さだけで決めてしまえば、仕事として成り立たないかもしれません。
自由に混ぜ合わせて、その中から、自分が本当にやりたいと思えるものを選ぶ。
そして、それを必要としてくれる人がいるか、実際に確かめてみる。
この順番が大切です。
6. 今ある商品をリミックスする、3つの質問
最後に、あなたの商品やサービスでも試せる質問を3つ紹介します。
質問1|今の商品を「何をするか」ではなく、「お客様が何を得られるか」で言い直すと?
例えば「作文を教える」なら、書き方を学ぶこと以外に、お客様が求めていることは何でしょう。
自分の気持ちを言葉にできることかもしれません。大切な人へ思いを伝えられることかもしれません。
提供する技術だけでなく、その先の価値を考えてみてください。
質問2|仕事と関係ないと思っていた経験を一つ足したら?
趣味でも、過去の失敗でも、好きなものでも構いません。
「こんなものを組み合わせる意味があるのかな」と思うものほど、一度考えてみてほしいです。
ただし、無理に足す必要はありません。お客様の役に立つ使い道があるかどうかがポイントです。
質問3|今とは違う人に届けたら、どんな商品になる?
同じサービスでも、届ける相手や利用する場面が変われば、必要な内容も変わります。
今のお客様とは違う人が、あなたの経験や専門性を必要としている可能性はないでしょうか。
この3つを使って、まずは商品案を3つ考えてみてください。
その中に、今の事業をもっと魅力的にするアイデアや、次の収入の柱になる可能性が見つかるかもしれません。
7. あなたが持っている要素は、まだ全部使われていないかもしれない
同業者と比べて、自分には何が足りないのだろう。
そう考えていると、どうしても自分にないものばかり探してしまいます。
でも、あなたの中には、これまで生きてきた時間の分だけ、いろいろな経験や知識、好きなことがあるはずです。
それらは、まだ仕事として使われていないだけかもしれません。
僕がDesign MEで大切にしているのは、本人に「こうすべき」という答えを押しつけることではありません。
その人の話を聞き、いろいろな材料を自由に組み合わせながら、本人も思いつかなかった商品やサービスの可能性を、一緒に生み出すことです。
単に商品名やキャッチコピーを変えるだけではなく、必要なら商品そのものの切り口を変えてみる。
そして、誰に届けたら喜ばれるのか、どうすれば収入につながる仕事になるのかまで考える。
それが、僕の考える「自分らしい仕事をデザインする」ということです。
もし今、「自分の商品はほかと似ている」「もう少し違う可能性がある気がする」と感じているなら、ぜひ一度、今あるものを違う角度から見つめてみてください。
あなたが当たり前だと思っている経験や魅力が、誰かにとっては、まだ出会ったことのない価値になるかもしれません。
あなたの経験や才能を掛け合わせたら、どんな商品が生まれるでしょうか。
自分だけでは思いつかない、その先の可能性へ。
「自分だったら、何と何を掛け合わせられるだろう?」
そう考えてみても、一人ではなかなか思いつかないこともありますよね。
Design MEでは、あなたの経験や専門性、好きなこと、個性を自由にリミックスしながら、今ある商品をもっと魅力的にする方法や、次の収入につながる仕事の可能性を一緒に考えます。
自分では思いつかなかったアイデアから、あなたらしい仕事を生み出してみませんか。







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